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家族信託に合う事例・合わない事例

ブログ
2024.10.16
イラスト2

司法書士の川嵜です。
本も何冊か書いて家族信託の案件をそれなりにやっていると、
信託に合う事案、あまり合わない事案が自分なりに見えてきた気がするんですね。


それで、家族信託が、バッチリはまる事例もあれば、う~ん、これは家族信託使わない方がいいかも、というもあります。


あ、こんな本書いています。(ちょっと宣伝)
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専門書にしては珍しく、発行部数、1万部突破
#みなさんのおかげです


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それではどんな事案が家族信託にあって、どんな事案はあまり合わないのか?


事案毎に考えていきますね。


■■ 親が認知症になそう。金銭管理は?


親が認知症になると、介護費用や施設費、入院費の支払いが大変になりそう。


後見は使いたくないし・・・


だから、まだ判断力のあるうちに対策しておきたい
って事案


これ、お金を家族信託して・・・って方法がありますよね。


一概には言えませんが、私だったら
「定期を解約して、キャッシュカードを子どもが持つ」
っていうのが、一番簡単と思います。
(他の子どもの理解が得られる場合)


定期を解約する理由は、定期の解約は本人確認をされて大変だから。
家族信託どころか、任意後見も不要。


事務所の売上もゼロ(笑)


でもね、それでいいと思うんですよ。


実際、親のキャッシュカードを子どもが持って対応がほとんどですから。


600万人の認知症患者で、後見を使っている人は23万人。


残りの577万人は、キャッシュカードを持つなどで対応している、ということになります。


つまり、ほとんどそうしている。


だから、こちらからするアドバイスも、同じ。


もちろん、家族間で争いがある場合や、
公正明大にしたい、という場合は、別です。


これら二つは、後見人の制度を使うのがベター。


一方で、親のお金で、子どもの学費を出したい場合とか。

これは家族信託がいいですね。


でも、通常のケースだったら、
「定期を解約して、キャッシュカードを子どもが持つ」
が良いと思うんですよ。(私の親ならそうする)


だから、僕なら、お金の管理だけなら、家族信託は使わないですね。

お金かけないで解決できるなら、それが一番いいじゃないですか。


■■ 障がいのある子


障がいのある子がいる

親亡き後のために、お金や不動産を、別の子どもに信託して・・・・
って事案です。


これって、家族信託の受託者(財産を管理する役割)になる子(障がいのある子のきょうだい)の負担が大きいと思うんですよね。


例えば、子どもが20代の時に家族信託を組むとするじゃないですか。


家族信託で、障害のある子の財産管理をする役目(受託者)をする子(きょうだい)も20代として、
その時はまだ結婚もしていないでしょう。


しかし、その後結婚して新しい家庭ができて、仕事も責任が重くなって、、、、


となってくると、親が亡くなったとき、受託者となる子は50代とすると、
信託を組んだときと、状況は全く変わっていますよね。


障がいのある子のために財産管理をするのがとても負担になる可能性があります。


そんな将来の負担を、まだ判断があまりできない若いときに負わせるのは、
どうか、って思います。


ですから、障がいのある子の親亡き後は、僕としての典型パターンは
・親が見れるときまで、障がいのある子の面倒を見る
・親が面倒を見れなくなったり、亡くなったら、第三者による後見
・きょうだいの別の子には負担は負わせない。


これが僕の典型パターンです。


そうすると、ここでも信託ではないんですよね。


■■ 家族信託がハマる案件は?


ありますよ!


親が施設に入ったら、自宅を売却をしたい。


これです!


親は今は元気。
でも、親が施設に入るときは、多分、認知症。


管理も大変だし、施設費の捻出もあるから、空家になった実家は売却したい。


これは、家族信託がハマりますね。


売却のためだけに、後見をつけるのは負担が大きい。


でも、子どもに家族信託しておけば、スムーズに売却できます。


そして、売却したお金は、その後も受託者の子が管理して、親のために使えますから、
後見は不要です。


しかも、家族信託では、
・設定時に不動産取得税も非課税ですし、
・売却したときの譲渡所得税の3000万円の特別控除も使えます。
税金的な優遇もありますよね。


このように、認知症になっても売却したい自宅や財産があるときは、家族信託ですね。


会社のM&Aとかでも使えます。


社長(会長)が、認知症になっても、会社の株を売れるようにしたいとか。



■■ アパートの所有者 認知症や承継に備えたい。


これ、難しいです。
一概には言えません。


アパートを所有している人が認知症になると、管理が難しくなりますよね。


賃料の管理や、物件の修繕、入居者とのトラブルの対応、などなど。
信託しておくと、スムーズかもしれませんね。


でも信託しなくても、なんとかなるケースもあります。


まずは、任意後見で対応するという方法も。

(家族信託の相談なのに、任意後見を提案することはよくあります)


それから、自分が持っている管理会社に管理を委託している場合。


これも、家族信託が必要でないこともあります。


賃料は管理会社にいったん入る。


つまりお金のロックはとりあえず、防げます。


認知症が心配の親の口座に賃料が入るわけではないですからね。


修繕費も賃料の一部を積み立ていていれば、なんとかなる。


契約の更新や修繕、トラブル対応も、一応は管理会社が前面に出てやるでしょう。


しいて言えば、入居者などに訴訟をする場合は、ちょっと問題になるかも。


ですからアパート管理は、ケースによって、家族信託を使うケース、使わないケースがあり得ます。


相談を受けた場合、そのご家族の状況を聞いて
家族信託や、後見制度を使う場合の
メリット、デメリットをそれぞれ比較して、決めていますね。


このように、家族信託って、ハマるときはハマりますが、
それ以外では、あまりおすすめしないことが多いです。


けっこう使い方が限定的ですよね。


つまり家族信託は万能ではない。


ハマるときはハマる(自宅の売却など)


ということで、私としては、家族信託を常に押すわけではなく、

そのご家族の状況から、10年先、20年先、30年先など見て、最適な方法を、

ご家族と一緒に考えるようにしています


最後までお読みいただきありがとうございます。


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