お知らせ
NEWS
家族信託ってなんだろう?しくみをやさしく解説【信託の基礎講座 1】
今回は、チョット専門家向けになりますが、
「信託の基礎講座」
というテーマでお送りします。
信託について勉強したけど、
「なんとなく信託ってわからないよね」
って言う人が対象です。
何回かのシリーズでお送りする予定です。
■■ そもそも信託とは
僕も司法書士受験のとき、信託、ほぼわかりませんでした。
受託者がいて、受益者がいて。
言葉が似ていて見分けがつかない(笑)
今までいろんな説明のし方をしてきました。
「私(委託者)の財産を君(受託者)に託す。だから○○(受益者)のことを頼む」
とか
財産の管理・処分権限と、財産権を分ける方法
とか
財産の管理・処分権限だけを渡す方法
とか
贈与税がかからない生前贈与みたいな方法
とか
管理者つきで財産を渡す方法(by 民事信託監督人協会 理事 柳橋司法書士)
とか
どれか、なるほどというものあります?
■■ 事例で例えると
お父さん(75歳)は、アパートのオーナー
自分で管理するのは、おっくうになってきた。
誰かに管理を任せたい。
でも、賃料は、自分の生活で必要だから、賃料は自分に欲しい
という場合。
娘さんがいて、その人に「信託」する場合。
「お父さん(委託者)のアパートを娘(受託者)に託すね。だから私(受益者)のことを頼むね」
お父さんは、託すことを委ねる人だから ⇒ 委託者
娘さんは、託すことを受ける人だから ⇒ 受託者
お父さんは、さらに、賃料という利益を受ける人だから ⇒ 受益者
こんな感じです。
お父さんは、信託前は
アパートオーナでもあり、もちろん賃料ももらっていた。
でも、管理処分の権限だけを娘さんに渡す。
だから、
・財産の管理・処分権限と、財産権を分ける方法
・財産の管理・処分権限だけを渡す方法
と言えますよね。
また、アパートの名義は、見た目、娘さんになる
でも、財産権(受益権)はお父さんに残したままなので、贈与税はかからない(相続税法9条の2 第1項)
だから、
見た目、生前贈与だけど、贈与税がかからない生前贈与とも言える。
この辺で、少しはわかります?
とにかく、
アパートを管理処分(賃貸借契約や、アパートの管理、売却など)をする権限と
アパートからの収益を受ける権利(賃料収入や、売却した代金)を分けて、別々にできる。
この管理処分権限と、収益を受ける権利を分けられるってところが
信託の最大のポイントと思います。
■■ これって、これまでの契約ではムリでした
例えば売買や贈与。
父から娘に売買や贈与したらどうなるか?
名義が娘に移ります。
でも、賃料をもらう権利も同時に娘に移る。
所有権は、この管理する権限と、収益をもらえる権限を分けられないから。
では、管理を娘に委託(委任)したらどうか?
これは、管理は娘に移り、収益をもらえる権限は父に残る。
お!信託に似てる!
でも、名義は、お父さんのままですよね。
一番違うのは、売却など処分するとき。
特に登記の手続きで売主としてハンコを押す人は、お父さんのまま。
娘さんに委託したからといっても、登記をする司法書士は、絶対お父さんを本人確認します。
でも信託してると、名義が娘に移っているから、本人確認は娘をするだけ。
ここが違う。
こんな感じで、信託することの最大のポイントは、
管理処分の権限と、収益をもらえる権利が分けられるってこと。
それって、他の契約ではムリでした。
ここが理解できると、信託の理解が進むと思います。
ここがわかると、信託関係の税金も理解しやすいですよ。
もう少し詳しく学びたいと思ったら、一般の人向けの本を書いているので、手に取ってみてくださいね。
「いちばんわかりやすい家族信託のはなし」 川嵜一夫 著
イラスト豊富で、わかりやすいように工夫して書いてます。