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AIで家族信託の契約書は作れる?

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2026.07.02
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作れます。

が、それで大丈夫かは別問題。


家族信託の契約書は、今のAIを使えば、一般の方でもある程度作れる時代になりました。
最近は、ChatGPTやGeminiなどのAIを使って、いろいろな文章を作る方が増えています。
私自身も、業務の中でAIを使うことがあります。
たとえば、

「契約書の中にこういう趣旨の条項を入れたい」

「こういう表現にしたい」

というときに、文章のたたき台を作ってもらうことがあります。


もちろん、司法書士業務として使う場合には、守秘義務には十分注意しています。
個人が特定されるような情報をそのままAIに入力することはありませんので、その点はご安心ください。


AIはとても便利です。


専門的な文章でも、それらしい形のものをかなり早く作ってくれます。
最近は、家族信託の相談についても、AIを使って自分で資料を作ってから、
「こんな感じで合っていますか?」
と相談に来られる方もいます。


これは、とても良いことだと思っています。
以前であれば、専門家に聞かないとまったくわからなかったことについて、一般の方が自分で調べ、考え、ある程度理解してから相談できるようになった。
これは本当にすごい時代になったと思います。



■■ AIで家族信託の契約書は作れるのか


では、AIで家族信託の契約書は作れるのでしょうか。
結論から言うと、作れます。


たとえば、
・父が自宅を持っている
・父が認知症になったときに備えたい
・子どもが管理できるようにしたい
・父が亡くなった後は母に住んでもらいたい
・最終的には子どもに引き継がせたい


このような情報をAIに入力すれば、家族信託契約書らしいものは、おそらく出てくると思います。


実際、見た目としては、かなり整った文章が出てくることもあります。


でも、ここで大事なのは、

「契約書らしいものができた」


ということと、
「その契約書で本当に大丈夫?」


ということは、まったく別だということです。


しかも5年後、10年後、お父さんやお母さんが亡くなったときとか。
ここは、とても重要です。



■■ プロの目から見ると、不完全な場合もある


AIが作った契約書は、一見するとよくできているように見えます。
ただ、プロの目から見ると、不完全な場合もあります。
特に家族信託は、単に契約書の文章を作れば終わり、というものではありません。
・家族構成
・財産の内容
・将来起こりそうなトラブル
・税金
・登記
・信託が終わる場面
・信託が終わった後の財産の帰属
・受託者が動けなくなった場合
・家族間の感情的な対立


こういったことを、様々な面から検討して設計する必要があります。
私もこれまで、家族信託の実務にかなり多く関わってきました。


その中で、
「ここを曖昧にしておくと、後で困る」
「この家族構成なら、この条項を入れておいた方がいい」
「この財産なら、税金や登記まで見ておく必要がある」
「このケースでは、受益者代理人を置いた方がトラブルを防ぎやすい」
というような実務上の感覚や経験が、かなり蓄積されています。


こういう部分は、AIが一般論として答えるだけでは、なかなか十分ではないことがありますよね。



■■ 家族信託でも注意点は多い


たとえば、父が自宅を持っていて、その自宅を家族信託にするケースを考えてみます。


よくある設計としては、
・父が元気なうちは父のために管理する
・父が亡くなった後は母のために管理する
・母も亡くなったら信託を終了する
・最終的には子どもが取得する


というような流れです。


一見すると、とてもシンプルに見えます。
しかし、実務では注意しなければならない点がいくつもあります。


たとえば、少し専門的な話になりますが、
「委託者の地位」をどう設計するかという問題があります。


委託者の地位が受益者の移転ときちんと連動するように設計されていないと、
後で思わぬ税金がかかる可能性があります。


(具体的には「地方税法 第73条の7第1項第4号ロ」に合致するような設計になっているか
 この部分は、司法書士向けの研修でも口を酸っぱく説明しています(笑))


相続の場面では、本来、不動産取得税がかからないことがあります。
ところが、信託契約書の作り方によっては、不動産取得税の課税が問題になることがあります。


数十万にもなることがあるので、結構大きい額ですよ。


ここは、家族信託の実務ではかなり注意して設計する部分です。



■■ 登録免許税も設計によって差が出ることがある


また、家族信託が終了したときの登記にも注意が必要です。


家族信託は、いつか終わります。
たとえば、父が亡くなり、母も亡くなったので、信託を終了して、最終的に子どもの名義にする。


このような場面では、登記手続きが必要になります。
そのとき、登録免許税という税金がかかります。


通常の相続に近い形で扱える設計になっていれば、相続の場合の税率でいけることがあります。
しかし、設計がうまくできていないと、通常の相続の場合より

5倍も高い税率になってしまう可能性があります。


(具体的には「登録免許税法 第7条第2項」に合致するような設計になっているか
 この部分も、司法書士向けの研修では、口を酸っぱく説明しています(笑笑))


契約書を作る段階では見えにくいのですが、最後に登記をするときになって、
「こんなに税金が違うのですか」
という話になることがあるのです。
だからこそ、最初の設計が大事になります。



■■ 家族信託 終了時の設計が曖昧だと登記で困ることもある


さらに大事なのが、家族信託が終了したときの財産の行き先です。


家族信託が終了したときに、誰がその財産を取得するのか。
これを「帰属権利者」(または「残余財産受益者」)と言います。


※ 専門家を試す質問。

 あなたが家族信託を、誰か専門家に相談している場合、

 「帰属権利者」と「残余財産受益者」の違いを明確に説明できますか?

 あと、受託者の義務としての「忠実義務」との「善管注意義務」違い、とか


この定め方がイマイチだと、最後の登記がスムーズにできないことがあります。


よく専門家(といわれる人たち)が犯すミスは
「遺産分割協議で定める。」


私は、この定めかたで帰属権利者を設計することは、絶対にありません。
(この部分も、司法書士向けの研修では口を酸っぱく説明しています)


家族信託は、契約したときだけでなく、終わるときのことまで考えておく必要があります。
・どのような理由で信託が終了するのか
・信託が終了したときに、誰が財産を取得するのか
・信託終了後の清算期間中、誰が受益者になるのか
・受託者はどのような手続きをするのか

(専門用語が多くてすいません(汗))


このあたりの関係がきちんと整理されていないと、
「終わるに終われない」
「登記が進まない」 ⇒ 法務局から「これじゃ登記できないですよ」と言われる
「思っていなかった税金の問題が出る」
ということが起こり得ます。


家族信託は、始めるときよりも、終わるときの方が難しい場合があります。
私は、家族信託の契約書を作るときには、この「終わり方」をかなり重視しています。



■■ 家族信託は家族関係の設計でもある


家族信託は、財産管理の仕組みです。
でも、それだけではありません。
実際には、家族関係の設計でもあります。
たとえば、受託者になる子どもが一人だけだと、他の兄弟姉妹から、
「何をしているかわからない」
「勝手に財産を使っているのではないか」
「説明がない」
という不満が出ることがあります。


もちろん、受託者がきちんとやっていても、他の家族に見えにくいというだけで、不信感につながることがあります。


そのような場合には、他の兄弟姉妹を「受益者代理人」(専門用語ですいません)を
置く設計を提案することもあります。


受益者代理人を置くことで、本人の利益を守りながら、家族間のバランスを取りやすくなる場合があります。
もちろん、すべてのケースで必要というわけではありません。


しかし、家族構成や人間関係によっては、こうした工夫がとても重要になります。
AIが作る契約書では、このような家族ごとの微妙な事情まで十分に反映できないことがあります。



■■ 契約書は文章だけでなく、実務経験も重要


家族信託の契約書は、単なる文章ではありません。
その家族の将来を支える仕組みです。
だからこそ、文章のきれいさだけでは足りません。


・将来、認知症になったときに本当に使えるか
・不動産の管理や売却ができるか
・金融機関で問題なく対応してもらえるか
・税金の問題が起きないか
・登記ができるか
・家族間のトラブルを防げるか
・信託が終了するときにスムーズに手続きできるか


こうしたことを、総合的に見て設計する必要があります。


私は、これまで家族信託の実務に多く関わってきました。
また、『いちばんわかりやすい家族信託のはなし』という書籍も執筆しています。



さらに、司法書士など専門家のみなさんに向けて、研修会で家族信託の講義をさせていただくこともありますし、
他の司法書士や行政書士などの専門家から、「一緒に業務に当たっていただけませんか?」と依頼されることもあります。


新潟県内でも、家族信託についてはトップクラスの実績かもしれません。
(他の事務所の状況はよく知りませんが。)


もちろん、どの専門家に依頼するかは、ご相談者の方が選ぶことです。
ただ、家族信託を検討するのであれば、単に契約書を作れる人ではなく、

実務上の注意点まで理解している専門家に相談していただきたいと思っています。



■■ AIは便利。でも最後の責任は取ってくれない


AIは本当に便利です。
家族信託について調べるときにも、契約書のたたき台を作るときにも、とても役に立ちます。


私も、AIを否定するつもりはまったくありません。

むしろ、上手に使えば、相談者の方にとっても、専門家にとっても、大きな助けになると思っています。


ただし、AIが作った契約書をそのまま使って、もしうまくいかなかったとしても、AIは責任を取ってくれません
・登記ができない。
・税金が思ったより高くなった。
・家族間でトラブルになった。
・信託が終了できない。


そうなったとしても、AIが代わりに責任を負ってくれるわけではありません。
ここは、しっかり理解しておく必要があります。



■■ 信託期間中も、いろいろなことが起きる


家族信託は、契約書を作って終わりではありません。
むしろ、契約をした後からが本番です。


信託期間中には、いろいろなイレギュラーなことが起きます。
・受託者が体調を崩した
・不動産を売却したくなった
・施設入所が必要になった
・家族関係が変わった
・相続が発生した
・金融機関とのやり取りで困った
・契約書に書いてあることの意味を確認したい


このようなことは、実際によくあります。


そのとき、専門家に依頼して家族信託を設計していれば、いろいろ聞くことができます。


私も、自分が設計した家族信託については、信託期間中にさまざまな質問を受けることがあります。

その都度、しっかり対応させていただいています。


家族信託は、長い期間続く仕組みです。
だからこそ、契約書を作るときだけでなく、その後も相談できる専門家がいることは、とても大きな安心につながりますよね。



■■ 新潟で家族信託をお考えの方へ


新潟で家族信託をお考えの方は、とき司法書士法人にご相談ください。
(以前は県外の案件もよく扱っていましたが、コロナ以降は県内の案件を中心に受けるようにしました)


とき司法書士法人では、相続、後見、遺言、家族信託を中心に、高齢期の財産管理や認知症対策、相続対策をサポートしています。


家族信託は、うまく設計すれば、ご本人とご家族の安心につながるとても有効な仕組みです。

一方で、設計を間違えると、後から修正が難しい場合もあります。

AIで調べることも、AIでたたき台を作ることも、これからは当たり前になっていくと思います。


でも、最後に大事なのは、
「その家族に本当に合っているか」
「将来のトラブルを防げるか」
「税金や登記まで見通せているか」
「信託期間中も安心して相談できるか」
という点です。


家族信託は、作って終わりではありません。
ご家族のこれからを支える、大切な仕組みです。
長期の目線でサポートできる専門家にご相談することをお勧めします。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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